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犬のおやつに添加物が入っている理由
犬のおやつに添加物が入っている理由は大きく分けて4つあります。
・微生物による腐敗・変質を防ぐため
・見た目を魅力的にするため
・栄養素を補強するため
・製造、加工のため
1つずつ見ていきましょう
「空気中にはカビ、酵母、細菌(バクテリア)といった微生物がたくさんいます。
犬のおやつにこれらの微生物が付着してしまうと、ある程度の水分を含む犬のおやつでは微生物が増殖し食品を腐敗、変質させ、結果的には食中毒の原因になったりもします。
この微生物の増殖を防ぐために使用されるのが保存料や防カビ剤(防ばい剤)です。法令でも認められていますが、これらを使用した場合には保存料(ソルビン酸)といった表示が必要となります。
しかし、微生物の増殖を防ぐために使用されていても保存料、防カビ剤といった表示をしないものもあります。グリシンや酢酸ソーダーなどです。
食品をより魅力的にするため食品が本来持っている味、色、食感、香りなどを補強、変更し食品をより魅了的にするために添加物が使用されます。
このような目的で使用されているのが、化学調味料、着色料、発色剤、合成甘味料(人工甘味料)、天然甘味料、リン酸塩、香料などです。シットリ感と清涼感を出すための添加物もあります。
栄養強化のため栄養素を補強するときも添加物が使われます。この目的に使用される添加物としてアミノ酸、ビタミン、ミネラル(無機質)があります。
ただし、アミノ酸は調味料、保存料の代わりとして 、ビタミンは酸化防止剤、保存料の代わり、着色料として、ミネラルは調味料や加工のためというように使用されているのが一般的です。
食品の製造、加工のために必要な添加物として、豆腐の製造に使用する凝固剤、中華めんの製造に使用するかん水、お菓子の製造に使用する膨張剤などがあります。 その他、粘りを出すための増粘剤などがあります。」
犬のおやつの無添加記載の定義はあいまい?
犬のおやつに記載されている無添加の定義は非常にあいまいです。
なぜなら、現在のルールでは、人工添加物、保存料、着色料、香料など、どれか一つでも不使用であれば「無添加」と記載できてしまうためです。
例えば保存料は使っていないけど着色料を使っている場合、パッケージに無添加と記載が可能です
なお、ペットフード公正取引協議会では「ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則」で「無添加」の表示についても下記の通り、厳しく定めています。
「無添加」、「不使用」又はこれらに類似する用語は、無添加である原材料名等が明確に併記され、かつ、当該原材料につき、次のア又はイの基準を満たす場合に限り、表示することができる。
ア 添加物以外の原材料に係る表示については、ペットフードの全ての製造工程において当該原材料が使用されていないことが確認できる場合
イ 添加物に係る表示については、当該添加物につき、ペットフードの表示のための添加物便覧に記載された添加物(加工助剤、キャリーオーバー及び栄養強化目的で使用されるものを含む。)を一切使用していないことが確認できる場合
ペ ッ ト フ ー ド の 表 示 に 関 す る
公 正 競 争 規 約 施 行 規 則
ただ、犬のおやつを製造する会社全てがペットフード公正取引協議会の会員ではないため、「無添加」の定義があいまいに
なっているのが現状です。
パッケージの裏面までしっかりと自身で確認するのが重要ですね
使用が制限されている添加物には注意が必要
ペットフード安全法では下記の添加物の含有量を制限しています。
下記の添加物の含有量はそれぞれ定める量以下で製造する必要があります。
添加物名 | 定める量(μg/g) |
---|---|
エトキシキン・BHA・BHT | 150(それぞれの合計量) |
エトキシキン | 75 |
亜硝酸ナトリウム | 100 |
犬のおやつに使用される添加物
犬のおやつに使用される保存料は下記の通りです。
- ソルビン酸カリウム
- 安息香酸ナトリウム
- プロピオン酸ナトリウム
- ポリリジン
- 亜硫酸ナトリウム
- BHT(ジブチルヒドキシトルエン)
- BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
- ミックストコフェロール
- アスコルビン酸
- エリソルビン酸
- 赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、106号
- 青色1号、2号、102号
- 黄色4号、5号、6号
- カラメル色素
- 二酸化チタン
- β-カロテン
- ビタミンB2
- 亜硝酸ナトリウム
- ソルビトール
- 調味料
- 香料
- アルギン酸
- キサンタンガム
- グアーガム
- グリセリン
- PH調整剤
- 膨張剤